糸リフトのクリニック選び。

糸リフトはどのクリニックで受けても同じではありません。

同じ「糸リフト」でも、仕上がりはクリニックで変わる——結論から

糸リフトは、使う糸の種類や本数だけを見比べても、良し悪しは判断できません。「どこに」「どの方向へ」「何本」糸を入れるかという設計の部分に、施術者ごとの経験と技術の差が出ます。

インターネットで検索すると「糸リフト おすすめクリニック」を謳うランキング型のまとめ記事は数多く見つかりますが、実際にどんな基準で選べばよいかを、施術を行う医師自身が具体的に解説しているものは多くありません。この記事では、カウンセリングを受ける前に知っておきたい確認基準を整理します。

確認しておきたい7つの基準

1. 本数ではなく「設計」を説明してくれるか

「片側〇本入れれば大丈夫です」という本数の話だけで終わるカウンセリングには注意が必要です。たるみは脂肪の位置が下がって起きるため、どの方向に、どの深さで引っ掛けるかという設計を具体的に説明してくれるかどうかが、経験の差を測る目安になります。

2. 症例数・経験年数を確認できるか

糸リフトは手技の再現性が重要な施術です。医師自身の症例数や経験年数を確認し、たるみ治療を専門的に扱っているかどうかを見ておくと安心材料になります。

3. 「やりすぎない」提案をしてくれるか

必要以上の本数や、過度な引き上げを勧めてくるクリニックには慎重な判断が必要です。逆に「今回はこの範囲にとどめましょう」という提案ができるクリニックは、仕上がりの自然さを重視している傾向があります。

院長(能登谷)より:
カウンセリングで大切にしているのは、「今のあなたに本当に必要な施術だけ」を一緒に考えることです。たるみに必要なのは、ただ引き上げることではありません。脂肪の位置が下がって起きているものなので、ボリュームを元に戻すように設計する。本数を多く売る提案はしません。

4. 他施術との併用ルールを持っているか

糸リフトはHIFUや脂肪吸引など他の施術と組み合わせることがありますが、組み合わせる順番や部位の設計には注意点があります。たとえば糸リフトをした後にHIFUを重ねる場合と、先にHIFUを行ってから糸リフトをする場合とでは、考え方が異なります。こうした併用の判断基準を持っているかどうかも、経験の目安になります。

5. ダウンタイム・リスクを正直に説明してくれるか

内出血、腫れ、引きつれなど、糸リフトには一定のダウンタイムとリスクがあります。良い面だけでなく、起こり得る症状の説明をきちんとしてくれるクリニックかどうかを確認しておきましょう。

6. カウンセリングの時間が十分に取られているか

顔の状態を診察せずに施術内容を決めるような進め方は避けたいところです。左右差や骨格のクセを踏まえた提案をしてくれるかどうかも、丁寧な診察をしているかの目安になります。

7. 2回目以降の相談がしやすいか

糸リフトは経過とともに戻りが出てくる施術のため、メンテナンスの相談がしやすい関係性を作れるかどうかも重要です。初回だけでなく、その後の通いやすさも含めて選ぶことをおすすめします。

もうひとつの確認ポイントは、糸リフト以外の選択肢との比較を提示してくれるかです。「イトリフトしか提案してくれない」という理由で糸リフト専門をうたう他院から転院してくる患者が一定数いる、という現場の声もあります。ヒアルロン酸やHIFUと比較したうえで、なぜ今回は糸リフトが適しているのかを説明できるクリニックのほうが、全体設計としての信頼度は高くなりやすいといえます。

確認基準の早見表

確認項目 見るポイント
設計の説明 本数でなく方向・深さを具体的に説明するか
症例数・経験 たるみ治療の専門性・経験年数
提案の姿勢 過度な本数を勧めず、必要な範囲を見極めるか
併用ルール 他施術との組み合わせ順序への理解があるか
リスク説明 ダウンタイム・合併症を正直に話すか
カウンセリング時間 左右差・骨格を踏まえた診察をしているか
継続の相談しやすさ メンテナンス期の関係性を作れるか

注意したい「勧め方」の特徴

  • 極端に安い価格で大量の本数を勧める:必要以上の本数を入れられるリスクがあります。
  • リスクの説明が一切ない:どんな施術にもリスクはあり、正直に説明してくれる方が信頼できます。
  • 「今日中に決めてください」と急かす:じっくり考える時間を与えてくれないのは注意サインです。
  • 他院からの乗り換えを露骨に煽る:不安を煽って即決を迫る進め方には注意が必要です。

カウンセリングで聞いておきたい質問例

  • 「私の顔の場合、どの部位にどの方向で糸を入れる設計を考えていますか」
  • 「本数を絞る選択肢もありますか。その場合の見え方の違いは」
  • 「ダウンタイムはどのくらいを見ておけばよいですか」
  • 「他の施術(ヒアルロン酸・HIFU)と併用する場合、順番はどうなりますか」
  • 「万が一、引きつれや違和感が出た場合、どのように対応してもらえますか」

これらの質問に対して、具体的かつ正直に答えてくれるかどうかが、クリニック選びの大きな判断材料になります。

院長(能登谷)より:
イトリフトしか提案してくれない、という理由で他院から移ってこられる方が一定数いらっしゃいます。糸リフトだけを勧めるのではなく、ヒアルロン酸や他の選択肢も含めて総合的に見て提案できるかどうかは、選ぶ際の一つの目安になると思います。

クリニックを比較する実際の手順

1. 情報収集:公式サイトで医師の経歴・専門領域(たるみ治療の経験)を確認する。

2. 複数のカウンセリングを受けてみる:可能であれば1院だけで決めず、2〜3院で話を聞いてみると、設計の説明の仕方の違いが見えてきます。

3. 提案内容を比較する:同じ悩みを伝えても、提案される本数・方向・部位が院によって異なることがあります。

4. 質問への答え方を見る:リスクや併用ルールについて、具体的に答えてくれるかを確認します。

5. 決定・施術:焦らず、納得できたタイミングで進めます。

初回のカウンセリングで即決する必要はなく、比較検討の時間を取ることが、結果的に満足度の高い仕上がりにつながります。

「安さ」だけで選ぶことのリスク

価格は重要な判断材料のひとつですが、価格だけで選ぶと、必要以上の本数を勧められたり、カウンセリングが簡略化されたりするリスクがあります。逆に、価格が高ければ安全というわけでもありません。設計の説明・経験・リスク説明の丁寧さを総合的に見て判断することが大切です。

総合的な提案ができるクリニックを選ぶメリット

糸リフト専門をうたうクリニックの中には、どんな悩みに対しても糸リフトを提案するところがあります。一方で、糸リフト・ヒアルロン酸・HIFUなど複数の施術を扱い、それぞれの得意分野を理解しているクリニックであれば、「今のあなたに合うのはどちらか」をフラットに提案してもらいやすいという利点があります。

たるみの原因には、脂肪や骨のボリュームが下がる「下垂」の要素と、脂肪や骨が減って起きる「萎縮」の要素の両方が関わっています。糸リフトが得意なのは前者の下垂へのアプローチで、萎縮が強い場合はヒアルロン酸など補う施術のほうが適していることもあります。糸リフトしか扱っていないクリニックでは、本来はヒアルロン酸で十分なケースにも糸リフトで対応しようとして、結果的に本数が多くなりすぎることがあります。

初診時に見ておきたい院内・スタッフの様子

カウンセラーや受付の対応、院内の清潔感、施術前の説明の丁寧さなども、間接的にクリニックの姿勢を反映しています。特に次のような点は確認しておくとよいでしょう。

  • 施術内容の説明が、質問する前から一方的に進まないか
  • 価格表・同意書などの書面がきちんと用意されているか
  • 施術後の相談窓口(電話・オンライン等)が明確に案内されているか
  • 医師本人がカウンセリングを担当するか、カウンセラーのみで完結してしまわないか

オンラインカウンセリングと対面診察の位置づけ

近年はオンラインでの事前相談に対応するクリニックも増えています。ただし、糸リフトの設計は、実際に皮膚の厚みや骨格、脂肪の分布を触診・視診しないと正確に決められない部分が大きいです。オンラインはあくまで初期の情報収集・疑問点の整理として活用し、実際の施術方針は対面での診察を経て決めるという流れが基本になります。

他施術との併用可否を判断できるかも、選ぶ基準になる

糸リフトを検討する際、多くのクリニックは糸リフト単体の説明で終わりますが、実際には他の施術との組み合わせ方や順番まで踏み込んで説明できるかどうかで、提案の質が変わります。たとえば能登谷院長は「HIFU(ハイフ)をするなら糸リフトの前がいい」とし、糸リフトの後にHIFUを当てることは勧めていません。糸で挿入した組織に高熱の刺激を加える順番の設計まで踏まえた判断です。

糸リフトの糸の方向(ベクター)設計を示す図解

脂肪吸引との組み合わせも同様です。院長の方針では、吸引した部位に糸を入れることは避けるとしています。吸引によって組織の引っ掛かりポイントが失われているため、そこに糸を通すと十分に定着せず、引きつれや硬さが出るリスクがあるという理由です。組み合わせるなら「顎下の脂肪吸引+フェイスラインの糸リフト」のように、吸引した部位と糸を入れる部位をずらして設計するのが現実的な対応になります。

カウンセリングの場で「この施術とこの施術は同時にできますか」「順番はどちらが先ですか」と聞いてみて、部位や順序まで具体的な理由つきで答えられるかどうかは、選ぶクリニックを見極める実践的な基準のひとつです。糸リフトしか提案しない、あるいは組み合わせの質問に一般論でしか答えられない場合は、総合的な設計力という点で慎重に検討したほうがよいかもしれません。

口コミ・症例写真の見方

クリニック選びで口コミや症例写真を参考にする方は多いですが、見方には注意が必要です。症例写真は照明や角度によって印象が変わりやすいため、同じ照明・同じ角度で撮影された正面・側面の写真が複数枚あるかを確認すると比較しやすくなります。口コミについても、極端に良い評価・悪い評価だけでなく、カウンセリングの進め方や説明の丁寧さに触れているものを参考にすると、実際の雰囲気がつかみやすくなります。

gift clinic 銀座院の院内

遠方から通う場合に確認しておきたいこと

糸リフトは施術後の経過確認や、まれに調整が必要になることがあるため、遠方から通院する場合は、術後の相談体制を事前に確認しておくと安心です。オンラインでの経過相談に対応しているか、緊急時に連絡できる窓口があるかを聞いておくとよいでしょう。

Q. 「糸リフト専門」を謳うクリニックは避けたほうがいいですか?

専門性自体は悪いことではありませんが、実際には糸リフトだけを一律に勧めるクリニックより、ヒアルロン酸やHIFU・脂肪吸引など複数の選択肢のなかから状態に合わせて提案できるクリニックのほうが、結果的に満足度の高い設計になりやすい傾向があります。カウンセリングで「他の選択肢と比べてなぜ糸リフトなのか」を説明してもらえるかを確認するとよいでしょう。

まとめ

糸リフトのクリニック選びで見るべきポイントは、価格や本数の多さではなく、「どういう設計で、なぜその提案をするのか」を具体的に説明してくれるかどうかです。カウンセリングを比較しながら、納得できるクリニックを選んでください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 糸リフトのクリニックはどこも同じですか?

使う糸の種類が同じでも、入れる方向・深さ・本数の設計は施術者によって異なります。仕上がりに差が出るのはこの設計部分です。

Q2. カウンセリングは何院くらい受けるべきですか?

決まった正解はありませんが、2〜3院で話を聞いて提案内容を比較すると、判断材料が増えます。

Q3. 本数が多いクリニックのほうが効果は高いですか?

必ずしもそうではありません。本数よりも、どこにどの方向で入れるかという設計のほうが仕上がりに影響します。

Q4. カウンセリングでどんな質問をすればよいですか?

設計の考え方、ダウンタイムの見込み、他施術との併用ルール、トラブル時の対応の4点を聞いておくと判断しやすくなります。

Q5. 極端に安いクリニックは避けたほうがよいですか?

価格だけで判断せず、説明の丁寧さやリスク説明の有無もあわせて確認することをおすすめします。

監修:能登谷 翔 医師(たるみリフト専門医/美容外科歴10年・糸リフト症例2500件以上/日本形成外科学会・美容外科学会 正会員/gift clinic 銀座 院長)