フェイスラインのたるみは、「引き上げる」だけでは戻らない。
脂肪の“位置”を戻す設計を、糸リフト症例2000件以上のたるみリフト専門医が解説します。
フェイスラインのたるみは「引き上げる」だけでは解決しない理由
鏡を見るたびに気になるフェイスラインのもたつき。「少し前まではシャープだったのに」「マスクを外すと実年齢より老けて見える気がする」——そんな悩みを抱えて来院される方が増えています。
美容医療を検索すると「リフトアップ」という言葉がすぐ出てきます。しかし、フェイスラインのたるみに対して「とにかく引き上げる」という発想だけでは、不自然な仕上がりになるケースが少なくありません。引き上げすぎた結果、顔が横に広がって見えたり、笑顔がこわばって見えたりする——いわゆる「やりすぎ顔」です。
フェイスラインのたるみが起きる本当の原因を理解すると、「引き上げ」という発想自体を見直す必要があることがわかります。このページでは、糸リフト症例2000件以上を手がけてきたgift clinic銀座の能登谷翔院長が、フェイスラインのたるみの原因・治療選択の考え方・注意点を医師目線で解説します。
院長(能登谷)より:フェイスラインのたるみは「皮膚を引っ張れば戻る」ものではありません。20〜30代の頃にあった脂肪の位置が、加齢とともに下方へ移動することで輪郭がぼやけていく——この“脂肪の位置ズレ”という視点がないと、引き上げるほど不自然になります。私が施術設計で最初に考えるのは「元々ここにあったはずのボリュームを、どう元の位置に戻すか」です。
フェイスラインにたるみが出る4つの原因
フェイスラインのたるみは、単一の原因ではなく、複数の解剖学的変化が積み重なって起きます。ここでは原因を4層に分けて整理します。
1. 骨の変化(骨格の縮小)
骨は成長が止まった後も、加齢とともに少しずつ体積が減ります。特に頬骨・下顎骨・眼窩は骨吸収が起きやすく、その結果、皮膚や脂肪を支えていた「土台」が小さくなります。骨格が縮小すると、上にある組織を支える面積が減るため、余剰となった皮膚・脂肪が下方へ落ちやすくなります。
2. 靭帯のゆるみ(支持組織の弛緩)
顔の皮膚・脂肪・筋肉(SMAS層)は、リテイニングリガメントと呼ばれる靭帯によって骨に固定されています。この靭帯は年齢とともにゆるみ、組織全体を下から引っ張るような力が弱まります。特にこめかみ〜頬骨〜あごにかけての靭帯がゆるむと、フェイスラインが崩れやすくなります。
3. 脂肪の「移動」と「量的変化」
ここが最も重要なポイントです。顔の脂肪は年齢とともに2通りの変化を起こします。
| 変化のタイプ | 何が起きているか | フェイスラインへの影響 |
|---|---|---|
| 脂肪増加型 | 皮下脂肪・SMAS下脂肪が加齢で増加・肥大化 | フェイスラインがぼやけてもたつく/重力で下垂しやすい |
| 脂肪減少型 | 頬・こめかみ・あごの脂肪コンパートメントが萎縮 | 顔がこけてスカスカになり、残った皮膚が余って下垂 |
この2タイプは同一人物に混在することもあります。「脂肪増加型」と「脂肪減少型」では治療の方向性がまったく異なるため、ここを見極めずに「とりあえずHIFU」「とりあえず糸」を選ぶと効果が出ないか、逆効果になることがあります。
4. 皮膚自体のたるみ(真皮の変性)
コラーゲン・エラスチンの減少により、皮膚の弾力が失われます。これは骨・靭帯・脂肪の変化の結果として皮膚が余る形で顕在化することが多く、単独で生じるよりも上記3つの変化に続いて起きるケースが大半です。
「脂肪増加型」と「脂肪減少型」で治療戦略は変わる
フェイスラインのたるみには、脂肪が増えて下に落ちているタイプと、脂肪が減って皮膚が余っているタイプがあります。この視点は、一般の美容情報メディアではほとんど言及されていません。
脂肪増加型のフェイスラインたるみ
30〜40代前半に多く見られます。頬や下あごの脂肪コンパートメントが重力と加齢で下垂し、フェイスラインにもたつきが出ます。この場合、引き上げる力を与えることが有効です。HIFUや糸リフトによってSMAS層・脂肪を物理的に引き上げることで、フェイスラインが回復しやすくなります。ただし、引き上げる際に「横方向に広げすぎない設計」が重要です。フェイスラインを縦に引き上げるのではなく、斜め上(本来あったべき方向)へ脂肪を戻す意識で設計しないと、顔が横に拡大したように見える「不自然なリフト」になります。
脂肪減少型のフェイスラインたるみ
40〜50代以降に多くなります。頬・こめかみの脂肪が萎縮して骨格が露出し、その分皮膚が余ってフェイスラインが崩れます。この場合、引き上げるだけでは解決しません。むしろ「引き上げ」を過剰に行うと、こけた部分がさらに強調されてしまいます。脂肪減少型には、ヒアルロン酸などによるボリューム補充でこけた部分を埋め、骨格の縮小を補正する治療が有効です。
院長(能登谷)より:カウンセリングで必ず確認するのが「この方のたるみは、脂肪が下に落ちているのか、それとも脂肪自体が減っているのか」という点です。両方が混在している方もいますが、この見極めを飛ばして治療を選ぶと、お金と時間を使って顔が変になる結果になりかねません。症例を重ねるほど、「引き上げないほうがいい方」がいることがよくわかります。
年代別:フェイスラインたるみの特徴と治療の考え方
| 年代 | 主な変化 | 治療の主軸 |
|---|---|---|
| 20代後半〜30代前半 | 靭帯のゆるみが始まる・脂肪の軽度下垂 | 予防・早期介入(HIFUやRF)・生活習慣 |
| 30代後半〜40代前半 | 脂肪増加型のたるみが顕在化・もたつき | HIFU・糸リフト・RF(状態による) |
| 40代後半〜50代 | 脂肪減少型との混在・骨格変化が加わる | ボリューム補充+糸リフトの併用設計 |
| 50代以降 | 皮膚の余剰が顕著・組織の萎縮が進む | ボリューム補充・場合によっては切開リフトの検討 |
※個人差があります。年代はあくまで傾向であり、同年代でも状態は大きく異なります。
フェイスラインたるみ治療の選択肢:4種類の比較
HIFU(ハイフ)
超音波エネルギーを皮膚の深層(SMAS層)に照射し、熱収縮・コラーゲン産生を促します。メスを使わず、施術後すぐにメイク・外出が可能なため「ダウンタイムを抑えて引き上げたい」方に選ばれます。軽〜中度のたるみ・30〜40代前半・定期的なメンテナンス目的に向きます。脂肪が薄い部位・脂肪減少型のたるみには適さない場合があります。個人差があります。
糸リフト(スレッドリフト)
コグ(とげ)付きの吸収糸を皮下に挿入し、物理的に組織を引き上げます。HIFUより即効性があり、脂肪の下垂が明確な方に向きます。gift clinicではNリフト・アルテミスリフト・ヴィーナスリフトなど複数のメニューを用意しており、1本モニター価格もあります(最新の料金は料金ページまたはカウンセリングでご確認ください)。本数・デザインが重要で、必要最小限の本数で自然な仕上がりを設計します。やりすぎると不自然になるリスクがあります。
RF(サーマクール・ラジオ波)
高周波エネルギーで真皮深層〜SMAS層を加熱し、コラーゲン収縮・新生を促します。皮膚のハリ・弾力が低下している方や、HIFUと組み合わせるメンテナンスに向きます。即効性よりも3〜6ヶ月かけて効果が現れることが多いです。個人差があります。
ヒアルロン酸注射(ボリューム補充)
頬・こめかみ・あごに適切な量を補充し、骨格の縮小を補正します。脂肪減少型のたるみに特に有効です。入れすぎると顔が膨張して見えるため、適切な層・適切な量の設計が最重要です。効果の持続には個人差があります。
セルフケアでフェイスラインのたるみは改善するか
「小顔マッサージ」「顔ヨガ」などが紹介されていますが、フェイスラインのたるみの主な原因である「骨の変化」「靭帯のゆるみ」「脂肪の位置移動」に対しては、セルフケアで対処できる範囲は限られます。むくみによる一時的な乱れや、表情筋の維持、紫外線対策・保湿による皮膚の質の維持には役立ちますが、靭帯のゆるみによる脂肪の下垂や骨の体積減少には対応しにくいのが実情です。構造的なたるみに対しては、医療的なアプローチを検討することが現実的です。
早期治療が有利な理由
「たるみが気になってきた」と感じた段階で受診することを勧める理由は、治療効果だけでなく「やりすぎない施術で済む」点にあります。たるみが軽度であれば、HIFUや少本数の糸リフトなど侵襲性の低い選択肢で対応できることが多くなります。進行してから始めると、必要な処置が大きくなり、リスク・コスト・ダウンタイムが増します。「まだ早いかな」と思う段階が、実は自然な仕上がりを維持しやすいタイミングであることが多いです。
リスク・副作用について
フェイスラインのたるみ治療は医療行為です。治療の種類によって生じうるリスク・副作用は以下の通りで、いずれも個人差があります。
- HIFU:施術直後の赤み・熱感・腫れ、一時的な痛み・違和感、脂肪が薄い部位での神経への影響(まれ)
- 糸リフト:腫れ・内出血、糸の引きつれ感・皮膚の凹凸、感染(まれ)、糸の触知、左右差、過剰なリフトによる不自然な見た目
- RF:赤み・腫れ・熱感、照射条件による凹凸(まれ)
- ヒアルロン酸:腫れ・内出血、入れすぎによる不自然な膨張、血管閉塞(まれだが重篤)、アレルギー反応(まれ)
「治る」「必ず効果が出る」という保証はできません。カウンセリングで個人の状態を確認したうえで適切な治療を提案します。不明な点はカウンセリング時にお尋ねください。
よくある質問
Q. HIFUと糸リフト、どちらが自分に合っているか判断できますか?
たるみの程度・脂肪の状態・年齢・ダウンタイムの取れる期間によって変わります。「脂肪増加型」か「脂肪減少型」かの見極めが特に重要で、カウンセリングで顔の状態を直接確認したうえで提案します。一般的には軽〜中度はHIFUやRF、中〜高度は糸リフトが検討されますが、あくまで目安です。
Q. 糸リフトは何本入れるのが正解ですか?
一律の答えはありません。必要な引き上げ量・脂肪の位置・輪郭の形によって変わります。本数を多く入れるほど良い結果になるわけではなく、デザイン設計のほうが重要です。必要最小限の本数で自然な仕上がりを設計することを優先しています。
Q. フェイスラインのたるみ治療はどのくらいの頻度で受けますか?
治療の種類によって異なります。HIFUは半年〜1年に1回程度のメンテナンスが一般的です。糸リフトは吸収糸の場合1〜2年で効果が薄れることが多く、その後のメンテナンスを考えた設計が必要です。ヒアルロン酸は半年〜1年半程度で代謝されます。いずれも個人差があります。
Q. セルフケアを続けていますが改善しません。いつ受診すべきですか?
「気になり始めた」段階が適切なタイミングです。セルフケアで対処できない構造的なたるみは、早期のうちに専門医が確認することで、侵襲性の低い選択肢から始められます。カウンセリングのみで終わることも可能です。
Q. 「やりすぎ顔」になるリスクはありますか?
あります。主な原因は、引き上げる方向・量の設計ミス、必要以上に本数・施術量を入れすぎること、脂肪の状態を見極めずに引き上げだけを行うことです。当院は「やりすぎない・必要以上に変えない」を設計の前提とし、仕上がりイメージを具体的にすり合わせたうえで施術に入ります。
まとめ
フェイスラインのたるみは「ただ引き上げる」だけでは解決しません。原因は骨・靭帯・脂肪・皮膚の4層にわたり、特に「脂肪増加型(下垂)」か「脂肪減少型(萎縮)」かによって治療戦略はまったく変わります。脂肪増加型には引き上げ(HIFU・糸リフト)、脂肪減少型にはボリューム補充(ヒアルロン酸)が有効で、「脂肪を元の位置に戻す」設計が横に広がらない・バレない自然な仕上がりの鍵になります。気になり始めた段階での早期受診が治療の幅を広げます。まずは無料カウンセリングで、ご自身のたるみのタイプと適切な方向性をご確認ください。
監修:能登谷 翔 医師(たるみリフト専門医/美容外科歴10年・糸リフト症例2000件以上/日本形成外科学会・美容外科学会 正会員)/gift clinic 銀座 院長