ほうれい線は“タイプ”で治療が変わる。
くぼみ型・たるみ型・筋肉型・肌力低下型の4分類を、たるみ専門医が解説します。
ほうれい線の治療を考える前に知っておくべきこと
ほうれい線治療を調べると、「ヒアルロン酸で消える」「糸リフトで一発解決」といった情報が目につきます。しかし、同じほうれい線でも原因が異なります。タイプを見誤った治療は、改善どころか「なんか変な顔になった」という後悔を招くことがあります。結論から言います。ほうれい線には4つのタイプがあり、それぞれ向く治療が違います。タイプを正確に見極めることが、治療の出発点です。
ほうれい線が深くなる4つの原因タイプ
タイプ1:くぼみ型(ボリューム消失型)
頬の脂肪や骨が萎縮し、ほうれい線の上側がくぼんで影になるタイプです。30代後半から増え始め、頬が「こける」と表現される方に多い。正面からより斜め・横から見たときに影が目立ち、無表情だと深く見えるという訴えが多いのも特徴です。向く治療:ヒアルロン酸注入(ボリューム補充)。くぼみにボリュームを足す直接的なアプローチが有効ですが、入れる位置と量の設計が仕上がりを大きく左右します。
タイプ2:たるみ型(頬下垂型)
頬の組織が重力で下がり、ほうれい線の溝が深くなるタイプです。皮膚と皮下組織の緩みが主因で、40代以降に増加します。頬全体が下がっているため、マリオネットラインも同時に出やすい。向く治療:糸リフト/ハイフ。組織を物理的に引き上げる、または皮下組織を収縮させる治療が本質的なアプローチです。ヒアルロン酸のみではタイプのずれが生じやすい。
タイプ3:筋肉型(表情筋優位型)
口周りの表情筋が発達・緊張していることでほうれい線が刻まれるタイプです。比較的若い年齢から現れることもあります。笑ったときに深くなり、無表情では目立たない。向く治療:ボトックス(筋弛緩)/HIFU(補助的に)。口周りのボトックスは表情への影響が出やすいため、量と位置の精度が求められます。
タイプ4:肌力低下型(皮膚菲薄化型)
コラーゲン・エラスチンの減少により皮膚自体が薄くなり、シワが刻み込まれるタイプです。50代以降に多い。皮膚を摘むと薄く、弾力を感じにくい。向く治療:スキンケア治療(ピコレーザー・RF系)/ヒアルロン酸(真皮浅層への少量注入)。肌質の底上げが主軸になります。
タイプ別・推奨治療の早見表
| タイプ | 主な原因 | 特徴 | 向く治療 |
|---|---|---|---|
| くぼみ型 | 脂肪・骨萎縮 | 無表情で目立つ・影がくっきり | ヒアルロン酸注入 |
| たるみ型 | 組織の下垂 | マリオネットも出る・引くと改善 | 糸リフト・HIFU |
| 筋肉型 | 表情筋の動き | 笑顔で深くなる・若年から出ることも | ボトックス |
| 肌力低下型 | 皮膚の菲薄化 | 全顔にシワ・皮膚が薄い | スキンケア治療・RF系 |
「ヒアルロン酸を入れれば消える」という誤解
くぼみ型には有効ですが、たるみ型・筋肉型には適応が限られます。たるみ型にヒアルロン酸を大量に入れると、「頬が膨らんで重くなる」「なんか顔が変わった感じがする」という状態になりやすい。引き上げるべきものを膨らませてごまかしているため、自然な印象から遠ざかります。
院長(能登谷)より:診察では毎回「なぜそのほうれい線が出ているか」を先に考えます。たるんでいる人にヒアルロン酸を勧めるのは、ズボンのウエストが緩んできたのにパッドを詰めるようなもの。根本に向き合う方法を選ぶことが、長い目で見て自然な仕上がりにつながります。
後悔しやすいほうれい線治療の失敗パターン
- 入れすぎによるボテ感:ヒアルロン酸を過剰注入すると頬が不自然に膨らみ、「顔が大きくなった」「疲れた顔に見える」という訴えになります。
- タイプ違いの治療による無効:たるみ型にヒアルロン酸のみ注入しても根本のたるみが改善されず、効果が持続しにくい。
- 引き上げすぎによる不自然さ:糸リフトで強く引き上げすぎると、凹凸や引きつれが生じることがあります。やりすぎは後から戻すことが難しい。
gift clinicのほうれい線治療における設計の考え方
カウンセリングの最初にどのタイプのほうれい線かを確認します(複数タイプの混在も多く、その場合は優先順位を決めます)。加齢で下がったボリュームや位置を、年齢に合った自然な状態に近づける「元に戻す設計」を基本とし、一度の治療で全部を解決しようとせず段階的に調整します。改善余地が小さい・適応しない治療は提案しません。
院長(能登谷)より:糸リフト症例を2000件以上経験して感じるのは、「どれだけ引き上げるか」より「どこで止めるか」の判断が仕上がりを決めるということです。バレない自然な変化こそが、患者さんが求めているものだと思っています。
gift clinicで対応しているほうれい線の主な治療
当院では、頬下垂型に糸リフト(Nリフト・アルテミスリフト・ヴィーナスリフト等を状態に応じて選択)、くぼみ型・肌力低下型にヒアルロン酸注入、軽度〜中等度のたるみにHIFU、筋肉型に口周りのボトックスを用います。料金は変動があるため最新は料金ページでご確認ください(モニター価格もご用意)。
リスク・副作用について
- ヒアルロン酸:腫れ・赤み・内出血、硬結、左右差、まれに血管塞栓(重篤・解剖知識に基づく注入が必要)、過剰注入による不自然な膨らみ。
- 糸リフト:腫れ・内出血(1〜2週間)、引きつれ・凹凸感、まれに感染、効果の左右差、糸の露出(まれ)。永続的な効果は得られません。
- HIFU:痛み・赤み・熱感、まれに神経障害。
- ボトックス(口周り):表情の動きへの影響、内出血、効果は3〜6ヶ月で消失。
既往症・内服薬・アレルギーは事前に申告してください。妊娠中・授乳中の方は受けられない場合があります。個人差があります。
よくある質問
Q1. ほうれい線治療で最初に何を調べればいいですか? 自分がどのタイプかを確認することが最初のステップです。鏡で無表情・笑顔・横向きで比較するとくぼみ型かたるみ型の見当がつきますが、最終的には医師の診察で判断するのが正確です。
Q2. ヒアルロン酸と糸リフトはどちらが効果的ですか? 効果の高低ではなく原因タイプによって選ぶものです。くぼみが主因ならヒアルロン酸、下垂が主因なら糸リフトが本質的なアプローチです。
Q3. 治療後どのくらいで効果が出ますか? ヒアルロン酸は直後から変化、腫れが落ち着く1〜2週間後が目安。糸リフトは2〜4週間後から安定。HIFUは2〜3ヶ月かかることがあります。個人差があります。
Q4. 一度治療を受けるとずっと維持できますか? いずれも永続的な効果は得られません。ヒアルロン酸は6〜18ヶ月、糸リフトは1〜3年が目安ですが個人差があります。
Q5. カウンセリングで断られることはありますか? あります。改善余地が小さい・適応外と判断した場合は提案しません。期待値と現実のギャップが大きい場合も正直にお伝えします。
各治療の特徴とダウンタイムの目安
糸リフト:コグ(返し)付きの吸収糸で頬の下垂を引き上げます。当院ではNリフト・アルテミスリフト・ヴィーナスリフト等を状態に応じて選択。腫れ・内出血が1〜2週間出ることがあり、本数と方向の設計が仕上がりを左右します。
ヒアルロン酸:くぼみ型・肌力低下型へ少量ずつ補充します。深い層へのボリューム注入と浅い層への少量注入を目的で使い分け、注入量・位置・製剤の選択が仕上がりを決めます。腫れ・内出血は数日程度です。
HIFU(ハイフ):SMAS層へ熱を届けて引き締めます。ダウンタイムはほぼなく、効果の実感は1〜3ヶ月かけて現れることが多いです。軽度〜中等度や予防、他治療との組み合わせに向きます。
ボトックス(口周り):筋肉型に対し、口周りの筋緊張を緩めます。量と位置の精度が必要で、効果は3〜6ヶ月で消失するため継続が前提です。
ほうれい線治療を受ける前のセルフチェック
- 鏡で「無表情・笑顔・横向き」を比較し、影が主か溝が主かを見る
- 過去の施術歴(ヒアル・糸・ハイフ等)をメモしておく
- どのくらい変えたいか(自然さの優先度)を言葉にしておく
- ダウンタイムを取れる時期・予算感を整理しておく
- 聞きたいこと(本数の根拠・料金・リスク)をリスト化しておく
これらを準備しておくと、カウンセリングで医師と認識を合わせやすくなります。
まとめ
ほうれい線治療はタイプを見極めることが出発点です。くぼみ型→ヒアルロン酸、たるみ型→糸リフト・HIFU、筋肉型→ボトックス、肌力低下型→スキンケア治療・RF系。「ヒアルロン酸を入れれば消える」は全員には当てはまりません。タイプを外した治療が後悔の原因になります。gift clinicではタイプ診断のうえ、必要な治療を必要な分だけ提案します。
監修:能登谷 翔 医師(たるみリフト専門医/美容外科歴10年・糸リフト症例2000件以上/日本形成外科学会・美容外科学会 正会員/gift clinic 銀座 院長)