クマ取り後のくぼみ・小じわ。

クマ取り(脱脂)後に、膨らみが取れた代わりにくぼみや小じわが目立つようになることがあります。

クマ取り後のくぼみを気にして目元を確認する女性のイラスト

クマ取り後のくぼみ・小じわは、なぜ起きるのか——結論

クマ取り(脱脂)は、膨らんだ脂肪を取り除くことで影をなくす施術です。ところが術後、膨らみがなくなった代わりに、くぼみや小じわが新たに目立つようになったという相談が一定数あります。「膨らみは減ったのに、なぜか印象が老けて見える」と感じて再来院される方もいます。

結論から言うと、これは主に「脂肪を取りすぎたこと」「もともと皮膚の弾力が低下していたこと」「経過中の一時的な変化を最終的な仕上がりと勘違いしていること」のいずれか、あるいは組み合わせによって起こります。一時的なものなのか、対処が必要な状態なのかを見分けることが、まず大切です。この記事では、それぞれの原因と、実際に気になったときの相談の目安まで具体的に整理していきます。

目の下のくぼみの構造を示す断面図解イラスト

くぼみ・小じわが起きる主な原因

① 脂肪を取りすぎている(過矯正)

クマ取りは「膨らみを平らにする」ことがゴールであり、取れば取るほど良いわけではありません。膨らみを解消しようとして脂肪を必要以上に取り除くと、その部分が今度は凹んでしまい、影の種類が「膨らみによる影」から「くぼみによる影」に変わってしまうことがあります。これは過矯正と呼ばれる状態で、脱脂の設計・見極めが特に重要とされる理由のひとつです。

② もともと皮膚の弾力が低下していた

加齢によって皮膚の弾力が落ちている状態で脱脂を行うと、脂肪がなくなった部分に皮膚がぴったりと沿わず、余った皮膚が細かいシワとして残ることがあります。これは脱脂そのものの技術というより、その方の皮膚の状態に起因する部分が大きく、事前にどの程度の弾力があるかを見極めることが重要になります。

③ 脂肪を「移動」させず「除去」のみを行った場合の段差

膨らんだ脂肪を単純に取り除く術式と、取り除いた脂肪を必要な部分に移動させてくぼみごと整える術式があります。前者の場合、膨らみがあった部分とその周辺との間に、なだらかでない段差ができてしまうことがあります。これが「くぼみ」として認識されるケースもあります。

④ むくみが引く過程での一時的な変化

術後の腫れ・むくみが引いていく過程で、一時的に皮膚がぺたっとして見え、くぼんでいるように感じることがあります。これは経過の途中経過であり、時間の経過とともに落ち着いていくことが多いため、必ずしも対処が必要な状態とは限りません。

⑤ 加齢による脂肪の下方偏位ともともとのくぼみが混在していた

顔全体のたるみと同じで、目の下の脂肪も加齢とともに位置がずれていきます。膨らんだ部分のすぐ下や周辺にもともと軽いくぼみがあった場合、脱脂で膨らみだけを取り除くと、隠れていたくぼみが表に出てきたように感じられることがあります。これは施術によって新たにくぼみが「作られた」わけではなく、もともとあった凹凸が見えやすくなったというケースです。事前のカウンセリングで、膨らみだけでなく周辺のくぼみの有無まで確認しておくことが重要になる理由のひとつです。

くぼみ・小じわが目立ちやすい人の傾向

以下のような傾向がある方は、脱脂後にくぼみ・小じわが目立ちやすいとされているため、カウンセリングで特に丁寧な説明を受けることをおすすめします。

  • もともと皮膚が薄く、乾燥しやすい体質である
  • 過去の急激なダイエットなどで、顔全体の脂肪が少ない
  • 40代以降で、皮膚の弾力がすでに低下し始めている
  • 膨らみの範囲が狭く、周辺との境目がはっきりしている(段差になりやすい)

これらに当てはまるからといって必ずくぼみが起きるわけではありませんが、脱脂の設計をより慎重に検討する材料として、事前に共有しておくと安心です。

院長(能登谷)より:
クマ取りで一番気をつけているのは「取りすぎないこと」です。膨らみを平らにすることがゴールで、凹ませることが目的ではありません。たるみの治療全般に言えることですが、”引けば引くほど良い””取れば取るほど良い”という発想は、たいてい仕上がりを損ないます。必要な分だけを見極めて、そこで止める判断が一番大事だと思っています。

一時的な経過と、対処が必要な状態の見分け方

状態 特徴 対応の目安
術後数日〜数週間のむくみによる変化 時間帯や体調によって見え方が変わる、日によって差がある 経過観察でよいことが多い
1〜2ヶ月経っても残るくぼみ・段差 見え方が安定していて変化しない クリニックへの相談が推奨される
特定の表情・角度でのみ目立つ小じわ 表情を戻すと目立たなくなる 経過観察でよいことが多い
常時、影として認識できるくぼみ どの表情・角度でも見える 対処が必要な可能性がある

術後1ヶ月前後は、腫れが引ききっていない状態と、実際の仕上がりの状態が混在しやすい時期です。この時期の見た目だけで判断せず、経過を見ながら医師に相談することが望ましいとされています。

くぼみ・小じわへの対処法

経過観察

術後間もない時期のくぼみ・小じわの多くは、むくみが引いていく過程での一時的な変化です。まずは一定期間(1〜3ヶ月程度)経過を見て、状態が安定してから判断することが基本になります。

ヒアルロン酸による補正

経過を見ても残るくぼみ・段差に対しては、ヒアルロン酸を少量注入して段差をなだらかにするという対処法が用いられることがあります。脂肪を取り除きすぎた部分に体積を戻すという発想で、脱脂とヒアルロン酸を組み合わせて仕上がりを整えるケースです。

脂肪の再配置(まれなケース)

過矯正の程度が大きい場合、脂肪注入などによる再建的なアプローチが検討されることもあります。これは頻度としては多くない対応ですが、選択肢の一つとして知っておくと安心材料になります。

院長(能登谷)より:
たるみの治療も同じですが、「戻す」という発想が大事です。クマ取りで凹んでしまった部分も、無理に引っ張ったり削ったりするのではなく、足りなくなった分を補う形で整えていく。取りすぎた脂肪は元に戻せませんが、ヒアルロン酸で段差をなだらかにすることで、見た目の印象は十分に改善できることが多いです。

くぼみ・小じわを防ぐために、施術前にできること

くぼみ・小じわは、術後に起きてから対処するよりも、事前に防げる部分が大きい問題でもあります。カウンセリングの段階で、以下を確認しておくことをおすすめします。

  • 膨らみの程度に対して、どのくらいの範囲・量を取る予定か具体的に聞く
  • 皮膚の弾力・たるみの有無について、事前にどのような評価をしてもらえるか
  • 過去に他院で脱脂を受けて、くぼみが気になっている場合はその経過を共有する
  • 「多めに取ってしっかり平らにしたい」という要望が、逆にくぼみのリスクを高める可能性があることを理解しておく

「しっかり取ってほしい」という要望は自然な気持ちですが、必要以上に取ることが必ずしも良い結果につながらない、という点は正直にお伝えしておきたいところです。

くぼみを予防する視点でのクリニック選び

くぼみ・小じわのリスクを抑えるうえで重要になるのが、脱脂の設計段階での見極めです。カウンセリングの内容や説明の仕方から、以下のような点を確認しておくと判断材料になります。

  • 膨らみの部分だけでなく、周辺のくぼみ・皮膚の弾力まで含めて診てもらえるか
  • 「多めに取った方が効果的」ではなく、「必要な分だけ」という考え方の説明があるか
  • 術後にくぼみ・段差が気になった場合の対処法(経過観察・ヒアルロン酸補正など)について、事前に説明があるか
  • 過去の症例で、くぼみ・段差についてどのような考え方で対応しているか聞けるか

これらを確認したうえで、自分の膨らみ・くぼみの状態に対して、どのような設計を提案してくれるかを比較することが、後悔の少ない選択につながります。

術後にくぼみが気になったときの相談タイミング

術後にくぼみ・小じわが気になり始めたら、自己判断で様子を見続けるのではなく、早めにクリニックへ相談することをおすすめします。特に、腫れが引ききったはずの時期(1〜2ヶ月程度)を過ぎても状態が変わらない場合は、経過観察で自然に改善する可能性は低いと考えられます。

早い段階で相談すれば、ヒアルロン酸による補正など、比較的負担の少ない対処法で調整できる可能性が高まります。逆に長期間放置してしまうと、周辺の組織の状態が変化し、対処の選択肢が狭まることもあるため、気になった時点で相談する姿勢が大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. クマ取り後にくぼみができるのはよくあることですか?

適切な設計であれば起こりにくいとされていますが、脂肪を取りすぎた場合や、もともと皮膚の弾力が低下していた場合には起こり得ます。頻度は個人差が大きく、一律には言えません。

Q2. 術後のくぼみは自然に治りますか?

術後数週間〜数ヶ月のむくみが引く過程での一時的な変化であれば、時間の経過とともに目立たなくなることが多いです。ただし1〜2ヶ月経っても状態が変わらない場合は、クリニックへの相談が推奨されます。

Q3. くぼみができてしまった場合、どう対処しますか?

経過観察のうえで、必要であればヒアルロン酸を用いて段差をなだらかにする対処が用いられることがあります。過矯正の程度によっては、脂肪の再配置などが検討されるケースもあります。

Q4. くぼみを防ぐために、施術前にできることはありますか?

膨らみの程度に対してどのくらいの範囲・量を取る予定かを事前に確認し、「多めに取ってしっかり平らにしたい」という要望が逆にリスクを高める可能性があることを理解しておくことが有効です。

Q5. 他院でクマ取りを受けてくぼみが気になっています。相談できますか?

他院での施術後の相談も可能です。どのような術式で、どの程度取り除いたかなど、分かる範囲の情報を共有してもらえると、現在の状態や対処法を検討しやすくなります。

Q6. くぼみを防ぐために、施術前の説明で特に確認すべきことは何ですか?

膨らみの範囲だけでなく周辺のくぼみ・皮膚の弾力まで含めて評価してもらえるか、「多めに取る」ではなく「必要な分だけ」という考え方で設計されるかを確認しておくことが重要です。あわせて、万が一くぼみが気になった場合の対処法について事前に説明があるかも確認しておくと安心です。

監修:能登谷 翔 医師(たるみリフト専門医/美容外科歴10年・症例2000件以上/日本形成外科学会・美容外科学会 正会員/gift clinic 銀座 院長)